Array.prototype.reduceRight()
Baseline Widely available
This feature is well established and works across many devices and browser versions. It’s been available across browsers since July 2015.
reduceRight()
は Array
インスタンスのメソッドで、アキュームレーターと配列のそれぞれの値に対して(右から左へ)関数を適用して、単一の値にします。
左から右へ適用する場合は Array.prototype.reduce()
を参照してください。
試してみましょう
構文
reduceRight(callbackFn)
reduceRight(callbackFn, initialValue)
引数
callbackFn
-
配列の各要素に対して実行される関数です。その返値は、次に
callbackFn
を呼び出す際のaccumulator
引数の値になります。最後の呼び出しでは、返値はreduceRight()
の返値となります。この関数は以下の引数で呼び出されます。accumulator
-
前回の
callbackFn
の呼び出し結果の値です。初回の呼び出しではinitialValue
が指定されていた場合はその値、そうでない場合はこの配列の末尾の要素の値です。 currentValue
-
現在の要素の値です。初回の呼び出しでは
initialValue
が指定された場合は末尾の要素の値であり、そうでない場合は末尾から 2 番目の要素の値です。 currentIndex
-
reduceRight()
が呼び出された配列です。 -
currentValue
のインデックス位置です。初回の呼び出しでは、initialValue
が指定された場合はarray.length - 1
、そうでない場合はarray.length - 2
です。
initialValue
省略可-
callbackFn
の最初の呼び出しのときに、アキュームレーターとして使用する値です。初期値がが渡されなかった場合は、配列の最後の要素が適用され、その要素が飛ばされます。また、reduceRight()
を空の配列に対して初期値なしで呼び出すとTypeError
になります。
返値
畳み込みによって得られた値です。
解説
reduceRight()
メソッドは反復処理メソッドです。「縮小」コールバック関数を配列に含まれる各要素に対して昇順に一度ずつ呼び出し、その結果を単一の値に積算します。
callbackFn
は値が割り当てられている配列インデックスに対してのみ呼び出されます。疎配列の空のスロットに対しては呼び出されません。
他の反復処理メソッドとは異なり、 reduceRight()
は thisArg
引数を受け入れません。 callbackFn
は常に undefined
を this
として呼び出され、 callbackFn
が厳格モードでない場合は globalThis
に置き換えられます。
reduceRight()
メソッドは呼び出し元の配列を変更しませんが、 callbackFn
に指定された関数は変更することがあります。ただし、配列の長さは callbackFn
を最初に呼び出す前に保存されることに注意してください。したがって、
callbackFn
はreduceRight()
の呼び出しを始めたときの配列の長さを超えて追加された要素にはアクセスしません。- 既に処理したインデックスを変更しても、
callbackFn
が再度呼び出されることはありません。 - まだ処理していない既存の配列要素が
callbackFn
によって変更された場合、callbackFn
に渡される値はその要素が取得される時点の値になります。削除された要素はundefined
であるかのように処理されます。
警告: 前項で説明したような、参照中の配列の同時進行での変更は(特殊な場合を除いて)普通は避けるべきです。多くの場合、理解しにくいコードになります。
reduceRight()
メソッドは汎用的です。これは this
値に length
プロパティと整数キーのプロパティがあることだけを期待します。
例
初期値がない場合の reduceRight() の動作
reduceRight の callbackFn
の呼び出しは次のようになります:
arr.reduceRight((accumulator, currentValue, index, array) => {
// …
});
関数が初めて呼び出されたとき、accumulator
と currentValue
は、2 つの値のいずれかになります。 initialValue
を指定して reduceRight
を呼び出した場合、accumulator
は initialValue
と等しくなり、currentValue
は配列の最後の値と等しくなります。initialValue
が指定されなかった場合、accumulator
は配列の最後の値に等しく、currentValue
は最後から 2 番目の値に等しくなります。
配列が空で、initialValue
が指定されなかった場合は、TypeError
が発生します。配列に (位置に関わらず) 要素が 1 つしかなく、initialValue
が指定されなかった場合、または initialValue
が指定されたが配列が空だった場合は、callbackFn
を呼び出されずに単独の値が返されます。
この関数を使用した場合について見てみましょう。
[0, 1, 2, 3, 4].reduceRight(
(accumulator, currentValue, index, array) => accumulator + currentValue,
);
コールバックは 4 回呼び出され、ぞれぞれの呼び出しの引数と返値は次のようになります。
accumulator |
currentValue |
index |
Return value | |
---|---|---|---|---|
First call | 4 |
3 |
3 |
7 |
Second call | 7 |
2 |
2 |
9 |
Third call | 9 |
1 |
1 |
10 |
Fourth call | 10 |
0 |
0 |
10 |
reduceRight
の返値は、コールバック呼び出しの最後の返値である (10
) になります。
初期値がある場合の reduceRight() の動作
ここでは、同じアルゴリズムを使用して同じ配列を縮小しますが、 reduceRight()
の 2 つ目の引数である initialValue
として 10
を使用します。
[0, 1, 2, 3, 4].reduceRight(
(accumulator, currentValue, index, array) => accumulator + currentValue,
10,
);
accumulator |
currentValue |
index |
Return value | |
---|---|---|---|---|
First call | 10 |
4 |
4 |
14 |
Second call | 14 |
3 |
3 |
17 |
Third call | 17 |
2 |
2 |
19 |
Fourth call | 19 |
1 |
1 |
20 |
Fifth call | 20 |
0 |
0 |
20 |
reduceRight
から返される値はこのときのもので、もちろん 20
です。
配列内のすべての値を合計する
const sum = [0, 1, 2, 3].reduceRight((a, b) => a + b);
// sum is 6
一連のコールバックを使用して非同期関数のリストを実行し、それぞれの結果を次のコールバックに渡す
const waterfall =
(...functions) =>
(callback, ...args) =>
functions.reduceRight(
(composition, fn) =>
(...results) =>
fn(composition, ...results),
callback,
)(...args);
const randInt = (max) => Math.floor(Math.random() * max);
const add5 = (callback, x) => {
setTimeout(callback, randInt(1000), x + 5);
};
const mult3 = (callback, x) => {
setTimeout(callback, randInt(1000), x * 3);
};
const sub2 = (callback, x) => {
setTimeout(callback, randInt(1000), x - 2);
};
const split = (callback, x) => {
setTimeout(callback, randInt(1000), x, x);
};
const add = (callback, x, y) => {
setTimeout(callback, randInt(1000), x + y);
};
const div4 = (callback, x) => {
setTimeout(callback, randInt(1000), x / 4);
};
const computation = waterfall(add5, mult3, sub2, split, add, div4);
computation(console.log, 5); // -> 14
// same as:
const computation2 = (input, callback) => {
const f6 = (x) => div4(callback, x);
const f5 = (x, y) => add(f6, x, y);
const f4 = (x) => split(f5, x);
const f3 = (x) => sub2(f4, x);
const f2 = (x) => mult3(f3, x);
add5(f2, input);
};
reduce と reduceRight の違い
const a = ["1", "2", "3", "4", "5"];
const left = a.reduce((prev, cur) => prev + cur);
const right = a.reduceRight((prev, cur) => prev + cur);
console.log(left); // "12345"
console.log(right); // "54321"
合成可能な関数の定義
関数合成とは、各関数の出力を次の関数に渡し、最後の関数の出力を最終的な結果とする、関数を組み合わせるための仕組みです。この例では reduceRight()
を使って、関数合成を実現しています。
Wikipedia の Function composition も参照してください。
const compose =
(...args) =>
(value) =>
args.reduceRight((acc, fn) => fn(acc), value);
// 渡された数値をインクリメントする
const inc = (n) => n + 1;
// 渡された数値を 2 倍にする
const double = (n) => n * 2;
// 合成関数を使用する
console.log(compose(double, inc)(2)); // 6
// 合成関数を使用する
console.log(compose(inc, double)(2)); // 5
reduceRight() を疎配列で使用
reduceRight()
は疎配列の欠落している要素をスキップしますが、値が undefined
の場合はスキップしません。
console.log([1, 2, , 4].reduceRight((a, b) => a + b)); // 7
console.log([1, 2, undefined, 4].reduceRight((a, b) => a + b)); // NaN
配列以外のオブジェクトに対する reduceRight() の呼び出し
reduceRight()
メソッドは this
の length
プロパティを読み込み、次にキーが length
より小さい非負の整数である各プロパティにアクセスします。
const arrayLike = {
length: 3,
0: 2,
1: 3,
2: 4,
3: 99, // length が 3 であるため reduceRight() からは無視される
};
console.log(Array.prototype.reduceRight.call(arrayLike, (x, y) => x - y));
// -1 すなわち 4 - 3 - 2
仕様書
Specification |
---|
ECMAScript Language Specification # sec-array.prototype.reduceright |
ブラウザーの互換性
BCD tables only load in the browser