Element: setPointerCapture() メソッド
setPointerCapture()
は Element
インターフェイスのメソッドで、特定の要素をこれ以降のポインターイベントのキャプチャターゲットとして指定するために使用します。(Element.releasePointerCapture()
を介して、または pointerup
イベントが発生して)キャプチャが解放されるまで、それ以降のポインターのイベントはキャプチャ要素をターゲットにします。
メモ:
ポインターキャプチャ設定後、それ以降のポインターイベントはキャプチャ対象の要素内で発生したとみなされます。よって、 pointerover
、pointerenter
、pointerleave
、pointerout
は発生しません。
タッチ画面の機器などで直接操作をしているブラウザーでは、 pointerdown
イベント発生時に要素に対してポインターキャプチャが自動的に適用されます。ポインターキャプチャの解放は element.releasePointerCapture
メソッドを手動で呼び出したとき、または pointerup
もしくは pointercancel
イベント発生時に自動的に行われます。
ポインターキャプチャの概要
ポインターキャプチャでは、ポインターの位置にある通常 (またはヒットテスト) のターゲットではなく、特定のポインターイベント (PointerEvent
) のイベントを特定の要素にターゲットしなおすことができます。 これは、ポインターデバイスの接触が要素から外れた場合でも、(スクロールやパンなどで)要素がポインターイベントを受信し続けるようにするために使用できます。
構文
setPointerCapture(pointerId)
引数
pointerId
-
PointerEvent
オブジェクトのpointerId
。
返値
なし (undefined
)。
例外
NotFoundError
DOMException
-
pointerId
がアクティブなポインターのいずれにも一致しなかった場合に発生します。
例
この例では、 <div>
を押下するとポインターキャプチャが設定されます。これにより、ポインターをその境界の外側に移動した場合でも、要素を水平方向にスライドさせることができます。
HTML
<div id="slider">SLIDE ME</div>
CSS
div {
width: 140px;
height: 50px;
display: flex;
align-items: center;
justify-content: center;
background: #fbe;
}
JavaScript
function beginSliding(e) {
slider.onpointermove = slide;
slider.setPointerCapture(e.pointerId);
}
function stopSliding(e) {
slider.onpointermove = null;
slider.releasePointerCapture(e.pointerId);
}
function slide(e) {
slider.style.transform = `translate(${e.clientX - 70}px)`;
}
const slider = document.getElementById("slider");
slider.onpointerdown = beginSliding;
slider.onpointerup = stopSliding;
結果
仕様書
Specification |
---|
Pointer Events # dom-element-setpointercapture |
ブラウザーの互換性
BCD tables only load in the browser