HTMLInputElement: stepDown() メソッド

HTMLInputElement.stepDown([n]) メソッドは、数値型の <input> 要素の値を step 属性の値、または引数として数値が渡された場合は step 属性の最大 n 倍の値だけ減少させるものです。

このメソッドを呼び出すと、 value は (step * n) だけ減少します。ここで、n は指定されなかった場合、既定で 1 となり、step が指定されなかった場合、 step の既定値となります。

step 属性に対応しているすべての数値、日付、時刻の入力型(date, month, week, time,datetime-local, number, range)で有効です。

<input id="myTime" type="time" max="17:00" step="900" value="17:00"> と指定された場合、 myTime.stepDown(3) を呼び出すと値は 16:15 になります。これは 3 * 900 または 45 分を引くからです。 myTime.stepDown() を引数無しで呼び出すと、 n が既定で 1 となるので 16:45 になります。

html
<!--  900 秒 (15 分) の間隔で減算 -->
<input type="time" max="17:00" step="900" />

<!-- 7 日 (1 週間) の間隔で減算 -->
<input type="date" max="2019-12-25" step="7" />

<!-- 12 ヶ月 (1 年) の間隔で減算 -->
<input type="month" max="2019-12" step="12" />

しかし、 stepDown<input type="time" max="17:00" step="900"> で呼び出すと、期待するような 17:00 にはなりません。 — stepUp<input type="time" min="17:00" step="900"> で呼び出した場合も同様です。初めて stepDown を呼び出すと、 max 属性が設定されているにもかかわらず 23:45 になります。次に呼び出すと、値は 17:00 となり、もう一度呼び出すと、値は 16:45 になります。

js
let input1 = document.createElement("input");
input1.setAttribute("type", "time");
input1.setAttribute("min", "17:00");
input1.setAttribute("step", 900);
console.log(input1.value); // ""
input1.stepUp();
console.log(input1.value); // "17:00"
// しかし
let input2 = document.createElement("input");
input2.setAttribute("type", "time");
input2.setAttribute("max", "17:00");
input2.setAttribute("step", 900);
console.log(input2.value); // ""
input2.stepDown();
console.log(input2.value); // "23:45"
input2.stepDown();
console.log(input2.value); // "17:00"
input2.stepDown();
console.log(input2.value); // "16:45"

このメソッドを呼び出すと、フォームコントロール内で設定された制約の範囲内で、 step 属性で指定された値に引数を掛けた値だけ、フォームコントロールの値を変更します。引数が渡されなかった場合の既定値は 1 です。このメソッドは、値が min を下回ったり、 step 属性が設定する制約に違反させるようなことはしません。 n に負の値を指定すると、値が増加しますが、max の値を超えて増加することはありません。

stepDown() メソッドを呼び出す前の値が無効であった場合、例えば step 属性で設定した制約に適合しない場合、 stepDown() メソッドを呼び出すと、フォームコントロールの制約に適合する値が返されます。

フォームコントロールが時刻、日付、数値以外のもので、 step 属性に対応していない場合(前述の対応している入力型のリストを参照)、または step 値が any に設定されている場合、 InvalidStateError 例外が発生します。

HTMLInputElement.stepDown()

value を(step * n だけ)減少させます。ここで n が指定されなかった場合は、既定で 1 になります。次の場合は例外 InvalidStateError が発生します。

  • このメソッドが現在の type の値に適切ではない場合
  • この要素に step の値がなかった場合
  • value が数値に変換できなかった場合
  • 結果の値が max を超えたり、 min を下回ったりした場合

構文

js
stepDown()
stepDown(stepDecrement)

引数

stepDecrement 省略可

数値です。引数が渡されなかった場合、 stepDecrement は既定で 1 になります。

この値が浮動小数点数であった場合、値は Math.floor(stepDecrement) が渡されたときと同様に減少します。この値が負の数であった場合は、値は減少するのではなく増加します。

返値

なし (undefined)。

この例のボタンをクリックすると、 number 入力型の値が減少します。

HTML

html
<p>
  <label for="theNumber">
    0 から 400 までの 5 で割り切れる数を入力してください。
  </label>
  <input type="number" step="5" id="theNumber" min="0" max="400" />
</p>
<p>
  <label for="decrementButton">
    減少させたい段階の数を入力するか、空欄のままにしてください。
  </label>
  <input type="number" step="1" id="decrementInput" min="-2" max="15" />
</p>
<input type="button" value="Decrement" id="theButton" />

JavaScript

js
/* 関数を呼び出すボタンを生成 */
let button = document.getElementById("theButton");
button.addEventListener("click", () => {
  stepOnDown();
});

function stepOnDown() {
  let input = document.getElementById("theNumber");
  let val = document.getElementById("decrementInput").value;

  if (val) {
    // 引数付きで減算
    input.stepDown(val);
  } else {
    // 引数なしで減算。 0, 5, -2 などを試してください。
    input.stepDown();
  }
}

CSS

css
input:invalid {
  border: red solid 3px;
}

結果

stepDown() メソッドに引数を渡さなかった場合、既定値は 1 になります。他の値は step 属性の値に乗算されるので、この場合は 5 となります。 stepDecrement4 を渡した場合、 stepDown4 * 5 すなわち 20 だけ行われます。この引数が 0 であった場合、数値は減算されません。 stepDown() メソッドは入力が範囲外にならないように、この場合は 0 になった時点で停止し、引数として渡された値の小数点以下を切り捨てます。

入力の減算値を 1.2 に設定してみてください。メソッドを呼び出すとどうなるでしょうか?

値を不正な数値である 44 に設定してみてください。メソッドを呼び出すとどうなるでしょうか?

仕様書

Specification
HTML Standard
# dom-input-stepdown-dev

ブラウザーの互換性

BCD tables only load in the browser

関連情報