Firefox 86 for developers

このページでは、開発者に影響する Firefox 86 の変更点をまとめています。Firefox 86 は、米国時間 2021 年 2 月 23 日にリリースされました。

メモ: Mozilla Hacks の A Fabulous February Firefox — 86! もご覧ください。

ウェブ開発者向けの変更点一覧

開発者ツール

  • Firefox 74 で非推奨になった ウェブコンソールのヘルパー関数 cd() を削除しました。iframe での作業 で説明している <iframe> コンテキストピッカーが同じ機能を提供しており、よりよいものです! 詳しくは Firefox バグ 1607741 をご覧ください。
  • margin および padding のさまざまな一括指定プロパティや個別指定プロパティを、テーブル内部の要素で非活性としてマークするようになりました。これらのプロパティは効果がないためです (Firefox バグ 1551569)。
  • 以前はグリッドアイテムで、order プロパティが誤って非活性としてマークされていました。この不具合を Firefox バグ 1579017 で修正しました。

HTML

変更なし。

SVG

CSS

JavaScript

  • Intl.DisplayNames ビルトインオブジェクトを、デフォルトで有効にしました。これは言語、地域、文字の表示名で一貫性がある翻訳を可能にします:

    js
    // 英語の通貨コードの表示名を取得する
    let currencyNames = new Intl.DisplayNames(["en"], { type: "currency" });
    // 通貨名を取得する
    currencyNames.of("USD"); // "US Dollar"
    currencyNames.of("EUR"); // "Euro"
    

    詳しくは Firefox バグ 1654116 をご覧ください。

API

DOM

  • タブで別のドメインからページを読み込んだときに Window.name プロパティを空文字列にリセットするようになりました。元のページが再読み込みされた場合 (例えば "戻る" ボタンを押す) は、復元します。これは信頼されないページが、前のページがプロパティに保存していた可能性がある情報にアクセスすることを防ぎます (新しいページもこのデータを変更する可能性があり、元のページを再読みした場合にこれを読み取られるかもしれません)。詳しくは Firefox バグ 1685089 をご覧ください。
  • EventTarget.addEventListener()signal オプションをサポートしました。このオプションで、AbortSignal をメソッドへ渡すことができます。AbortSignal は、後で abort() を呼び出すことでリスナーを削除するために使用できます。詳しくは Firefox バグ 1679204 をご覧ください。

WebDriver conformance (Marionette)

  • WebDriver:ElementClick を更新し、実際の click イベントの前に mousemove イベントを合成するようにしました (Firefox バグ 1684002)。

既知の不具合

  • フレームのコンテンツの読み込みが完了していない場合に、WebDriver:SwitchToFrame の呼び出しに続く WebDriver コマンドが "no such window" エラーで失敗します (Firefox バグ 1691348)。
  • クロスグループページナビゲーション の後、過去に取得した要素にアクセスすると常に "stale element" エラーが発生せず、"no such element" エラーが発生する場合があります。これを防ぐには、設定項目 marionette.actors.enabledfalse に設定してください (Firefox バグ 1690308)。

廃止

  • 非推奨の Marionette:ActionChain および Marionette:MultiAction コマンドのサポートを削除しました (Firefox バグ 1683755)。

アドオン開発者向けの変更点

過去のバージョン