CanvasRenderingContext2D
Baseline Widely available
This feature is well established and works across many devices and browser versions. It’s been available across browsers since July 2015.
CanvasRenderingContext2D
はキャンバス API のインターフェイスで、 <canvas>
要素の描画面のための二次元描画コンテキストを提供します。図形、文字、画像、その他のオブジェクトを描画するのに使用します。
詳細は、サイドバーや以下にあるプロパティとメソッドの説明を参照してください。Canvas チュートリアルにもより多くの説明やサンプルコード、リソースがあります。
基本的な例
CanvasRenderingContext2D
インスタンスを取得するには、まず連携する HTML の <canvas>
要素が必要です。
<canvas id="my-house" width="300" height="300"></canvas>
このキャンバスの二次元描画コンテキストを取得するには、引数に '2d'
を指定して getContext()
を <canvas>
に対して呼び出します。
const canvas = document.getElementById("my-house");
const ctx = canvas.getContext("2d");
二次元描画コンテキストを取得した後は、好きなように描画できます。以下のコードは家を描画します。
// 線の幅を設定
ctx.lineWidth = 10;
// 壁
ctx.strokeRect(75, 140, 150, 110);
// ドア
ctx.fillRect(130, 190, 40, 60);
// 屋根
ctx.beginPath();
ctx.moveTo(50, 140);
ctx.lineTo(150, 60);
ctx.lineTo(250, 140);
ctx.closePath();
ctx.stroke();
結果は次のようになります。
リファレンス
矩形の描画
キャンバスに矩形を直接描画する方法は 3 つあります。
CanvasRenderingContext2D.clearRect()
-
座標 (x, y) を始点とする大きさ (width, height) の領域を、透明色 (透明な黒) で塗りつぶします。領域内に描画されていたすべてのコンテンツは消去されます。
CanvasRenderingContext2D.fillRect()
-
座標 (x, y) を始点とし大きさ (width, height) の領域を、(訳注: 現在の塗りつぶしスタイルを用いて) 塗りつぶします。
CanvasRenderingContext2D.strokeRect()
-
座標 (x, y) を始点とし大きさ (width, height) の領域の枠線を、現在のストロークスタイルを用いて描画します。
文字列の描画
以下のメソッドは、文字列の描画を提供します。文字列のプロパティについては TextMetrics
も参照してください。
CanvasRenderingContext2D.fillText()
-
現在の塗りつぶしスタイルを用いて、文字の内部を塗りつぶします。
CanvasRenderingContext2D.strokeText()
-
現在のストロークスタイルを用いて、文字の輪郭を描画します。
CanvasRenderingContext2D.measureText()
-
TextMetrics
オブジェクトを返します。
線のスタイル
線がどのように描画されるかを設定・取得します。
CanvasRenderingContext2D.lineWidth
-
線の幅を設定します。既定値は
1.0
です。 CanvasRenderingContext2D.lineCap
-
線の末端のスタイルを設定します。設定可能な値は
butt
(既定値),round
,square
です。 CanvasRenderingContext2D.lineJoin
-
2 つの直線が出会う頂点のスタイルを設定します。設定可能な値は
round
,bevel
,miter
(既定値) です。 CanvasRenderingContext2D.miterLimit
-
Miter limit を設定します。既定値は
10
です。 CanvasRenderingContext2D.getLineDash()
-
現在の破線パターンを格納した配列を取得します。この配列には負でない実数が偶数個含まれています。
CanvasRenderingContext2D.setLineDash()
-
破線パターンを指定します。
CanvasRenderingContext2D.lineDashOffset
-
線のどこから破線にするかを指定します。
文字列のスタイル
以下のプロパティは、テキストがどのように配置されるかを制御します。
CanvasRenderingContext2D.font
-
フォントを設定します。既定値は
10px sans-serif
です。 CanvasRenderingContext2D.textAlign
-
テキストの揃え方を設定します。設定可能な値は
start
(既定値),end
,left
,right
,center
です。 CanvasRenderingContext2D.textBaseline
-
ベースラインの揃え方を設定します。設定可能な値は
top
,hanging
,middle
,alphabetic
(既定値),ideographic
,bottom
です。 CanvasRenderingContext2D.direction
-
テキストの方向を指定します。設定可能な値は
ltr
,rtl
,inherit
(既定値) です。
塗りつぶしとストロークのスタイル
塗りつぶしには図形の内部の色やスタイルの設定に、ストロークには図形の輪郭の色やスタイルの設定に使用されます。
CanvasRenderingContext2D.fillStyle
-
図形の内側を色やスタイルで指定します。 既定値は
#000
(黒) です。 CanvasRenderingContext2D.strokeStyle
-
図形の輪郭を色やスタイルで指定します。 既定値は
#000
(黒) です。
グラデーションとパターン
CanvasRenderingContext2D.createConicGradient()
-
引数で表された座標で指定された点の周りに扇形グラデーションを作成する。
CanvasRenderingContext2D.createLinearGradient()
-
引数で表された座標から線に沿った線形グラデーションを作成します。
CanvasRenderingContext2D.createRadialGradient()
-
引数で表された座標から 2 つの円の座標を利用して放射グラデーションを作成します。
CanvasRenderingContext2D.createPattern()
-
指定されたイメージソース (
CanvasImageSource
) を利用してパターンイメージを作成します。そのパターンイメージから引数の方向に繰り返します。このメソッドはCanvasPattern
で出力します。
影のスタイル
CanvasRenderingContext2D.shadowBlur
-
影のぼかしを設定します。既定値は
0
です。 CanvasRenderingContext2D.shadowColor
-
影の色を設定します。既定値は完全に透明の黒です。
CanvasRenderingContext2D.shadowOffsetX
-
横方向の影の長さを設定します。既定値は
0
です。 CanvasRenderingContext2D.shadowOffsetY
-
縦方向の影の長さを設定します。既定値は
0
です。
パスの作成
以下のメソッドはオブジェクトのパスの操作で使用できます。
CanvasRenderingContext2D.beginPath()
-
すでにあるサブパスのリストを消去して新しいパスの起点を作成します。パスを作成したい時にこのメソッドを利用します。
CanvasRenderingContext2D.closePath()
-
ペンの場所を現在のサブパスの最初の位置に戻します。現在の位置から最初の位置まで直線を引くことになります。パスの図形が閉じていたり、まだ 1 点だけだったりする場合は、このメソッドは何も実行しません。
CanvasRenderingContext2D.moveTo()
-
(x, y) 座標へ作成済みのサブパスの始点を移動します。
CanvasRenderingContext2D.lineTo()
-
現在のサブパスの終点を指定した (x, y) 座標へ直線で接続します。
CanvasRenderingContext2D.bezierCurveTo()
-
現在のパスに 3 次元のベジェ曲線を追加します。
CanvasRenderingContext2D.quadraticCurveTo()
-
現在のパスに 2 次元のベジェ曲線を追加します。
CanvasRenderingContext2D.arc()
-
現在のパスに円弧を追加します。
CanvasRenderingContext2D.arcTo()
-
引数の制御点と半径から現在のパスに円弧を追加し、直線で前の点に接続します。
CanvasRenderingContext2D.ellipse()
-
現在のパスに楕円形の円弧を追加します。
CanvasRenderingContext2D.rect()
-
引数の座標 (x, y) から width と height のサイズで長方形のパスを作成します。
パスの描画
CanvasRenderingContext2D.fill()
-
塗りつぶしのスタイルに基づいてサブパス内を塗りつぶします。
CanvasRenderingContext2D.stroke()
-
ストロークのスタイルに基づいてサブパスを描画します。
CanvasRenderingContext2D.drawFocusIfNeeded()
-
引数で指定した要素がフォーカスされた場合、このメソッドは現在のパスの周りにフォーカスリングを描画します。
CanvasRenderingContext2D.scrollPathIntoView()
-
現在のパスか引数で指定したパスが表示範囲に入るまでスクロールします。
CanvasRenderingContext2D.clip()
-
現在のサブパスからクリッピングパスを作成します。このメソッドが実行されると、後に描画されたものがすべてそのクリッピングパスの内側にだけ描画されます。サンプルはキャンバスチュートリアルのパスのクリッピングを参照してください。
CanvasRenderingContext2D.isPointInPath()
-
引数で指定した位置が現在のパスの中に含まれているか調べます。
CanvasRenderingContext2D.isPointInStroke()
-
引数で指定した位置がパスでストロークした領域の中に含まれているか調べます。
図形の座標変換
CanvasRenderingContext2D
の描画コンテキストのオブジェクトには、現在の変換行列の状態とその変換行列を操作するメソッドがあります。現在の既定値パスを作成したり、テキスト、図形、Path2D
を描くと変換行列が適用されます。以下に列挙するメソッドは、歴史的・互換的な理由から、 DOMMatrix
オブジェクトが現在 API のほとんどの部分で使われており、将来的には代わりに使われることになるため、残されています。
CanvasRenderingContext2D.getTransform()
-
コンテキストに適用されている現在の変換行列を取得します。
CanvasRenderingContext2D.rotate()
-
変換行列に回転を追加します。引数の角度は時計回りをラジアン値で指定します。
CanvasRenderingContext2D.scale()
-
キャンバスに対して X で横方向に、Y で縦方向に拡大縮小変換を追加します。
CanvasRenderingContext2D.translate()
-
キャンバスと指定した原点に対して X で横方向に、Y で縦方向にグリッド状で移動して、平行移動の変形を追加します。
CanvasRenderingContext2D.transform()
-
現在の変換行列と引数で指定した行列を乗算します。
CanvasRenderingContext2D.setTransform()
-
現在の変換行列を単位行列にリセットしてから、引数で指定した行列から
transform()
メソッドを実行します。 CanvasRenderingContext2D.resetTransform()
Experimental-
現在の変換行列を単位行列にリセットします。
合成
CanvasRenderingContext2D.globalAlpha
-
合成される前に適用されるキャンバス内の図形やイメージの透明度です。既定値は
1.0
(不透明) です。 CanvasRenderingContext2D.globalCompositeOperation
-
globalAlpha
で設定した透明度を利用して、これまで描画された図形やイメージの描画方法を設定します。
画像の描画
CanvasRenderingContext2D.drawImage()
-
指定したイメージを描画します。このメソッドでは指定方法が多く、大きな柔軟性を持ちます。
ピクセル操作
ImageData
オブジェクトも参照してください。
CanvasRenderingContext2D.createImageData()
-
引数で指定したサイズの空の
ImageData
オブジェクトを作成します。そのオブジェクトはすべてのピクセルが透明な黒で構成されています。 CanvasRenderingContext2D.getImageData()
-
キャンバス内の座標 (sx, sy) から 幅 sw と 高さ sh のサイズで示される部分に対応するピクセルデータの
ImageData
オブジェクトを取得します。 CanvasRenderingContext2D.putImageData()
-
引数で指定した
ImageData
オブジェクトのデータをビットマップ上に描画します。再描画対象の四角形が指定された場合は、その四角形のピクセルだけが描画されます。
画像の平滑化
CanvasRenderingContext2D.imageSmoothingEnabled
Experimental-
画像平滑化モードです。無効の場合、画像を拡大縮小しても平滑化されません。
CanvasRenderingContext2D.imageSmoothingQuality
Experimental-
画像平滑化の品質を設定します。
キャンバスの状態
CanvasRenderingContext2D
描画コンテキストは、様々な描画スタイルの状態(ラインスタイル、フィルスタイル、シャドウスタイル、テキストスタイルの属性)を含んでいます。以下のメソッドは、その状態を操作するのに役立ちます。
CanvasRenderingContext2D.save()
-
現在の描画スタイルの状態をスタックを用いて保存し、
restore()
を用いて変更した部分を元に戻すことができるようにします。 CanvasRenderingContext2D.restore()
-
描画スタイルの状態を
save()
によって保存された '状態スタック' の最後の要素に復元します。 CanvasRenderingContext2D.canvas
-
HTMLCanvasElement
への読み取り専用の後方参照。<canvas>
要素と関連付けられていない場合、null
になる可能性があります。 CanvasRenderingContext2D.getContextAttributes()
-
実際のコンテキスト属性を含むオブジェクトを返します。コンテキスト属性は
HTMLCanvasElement.getContext()
で要求することができます。
フィルター
CanvasRenderingContext2D.filter
Experimental-
キャンバスの明るさやぼかし具合を変えるなど、 CSS や SVG のフィルターを適用します。
標準外の API
Blink および WebKit
これらの API の多くは非推奨で、 Chrome 36 の直後に削除されました。
-
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.clearShadow()
-
CanvasRenderingContext2D.shadowColor
やCanvasRenderingContext2D.shadowBlur
のようなすべての影の設定を削除します。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.drawImageFromRect()
-
これは
drawImage
の同等のオーバーロードと同じです。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.setAlpha()
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.globalAlpha
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.setCompositeOperation()
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.globalCompositeOperation
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.setLineWidth()
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.lineWidth
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.setLineJoin()
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.lineJoin
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.setLineCap()
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.lineCap
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.setMiterLimit()
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.miterLimit
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.setStrokeColor()
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.strokeStyle
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.setFillColor()
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.fillStyle
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.setShadow()
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.shadowColor
とCanvasRenderingContext2D.shadowBlur
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.webkitLineDash
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.getLineDash()
とCanvasRenderingContext2D.setLineDash()
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.webkitLineDashOffset
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.lineDashOffset
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.webkitImageSmoothingEnabled
-
代わりに
CanvasRenderingContext2D.imageSmoothingEnabled
を使用してください。
Blink のみ
-
非標準
CanvasRenderingContext2D.isContextLost()
-
同じ
WebGLRenderingContext
メソッドと同じで、キャンバスのコンテキストが失われた場合はtrue
を、そうでない場合はfalse
を返します。
WebKit のみ
-
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.webkitBackingStorePixelRatio
-
canvas 要素に対するバッキングストアのサイズです。高 DPI キャンバスを参照してください。
-
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.webkitGetImageDataHD
-
HD バッキングストア向けのものでしたが、キャンバス仕様書から削除されました。
-
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.webkitPutImageDataHD
-
HD バッキングストア向けのものでしたが、キャンバス仕様書から削除されました。
Gecko のみ
接頭辞つき API
-
非標準
CanvasRenderingContext2D.mozImageSmoothingEnabled
-
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.mozTextStyle
-
Gecko 1.9 で導入されまいたが、
CanvasRenderingContext2D.font
プロパティが取って代わり、非推奨になりました。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.mozDrawText()
-
このメソッドは Gecko 1.9 で導入され、 Gecko 7.0 からは削除されました。代わりに
CanvasRenderingContext2D.strokeText()
またはCanvasRenderingContext2D.fillText()
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.mozMeasureText()
-
このメソッドは Gecko 1.9 で導入されましたが、 Gecko 7.0 からは実装されなくなりました。代わりに
CanvasRenderingContext2D.measureText()
を使用してください。 -
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.mozPathText()
-
このメソッドは Gecko 1.9 で導入され、Gecko 7.0 からは削除されました。
-
非標準
非推奨;
CanvasRenderingContext2D.mozTextAlongPath()
-
このメソッドは Gecko 1.9 で導入され、Gecko 7.0 からは削除されました。
内部 API (クロームコンテキストのみ)
-
非標準
CanvasRenderingContext2D.drawWindow()
-
ウィンドウの領域を
canvas
にレンダリングします。ウィンドウのビューポートの内容がレンダリングされ、ビューポートのクリッピングやスクロールは無視されます。 -
非標準
CanvasRenderingContext2D.demote()
-
これにより、現在ハードウェアアクセラレーションバックエンドを使用しているコンテキストは、ソフトウェアバックエンドにフォールバックすることになります。すべての状態は保存される必要があります。
Internet Explorer
-
非標準
CanvasRenderingContext2D.msFillRule
-
使用する fill ルールです。これは
evenodd
かnonzero
(既定値) のどちらかです。
仕様書
Specification |
---|
HTML Standard # 2dcontext |
ブラウザーの互換性
BCD tables only load in the browser