Firefox 35 for developers
Gecko 35 を搭載した Firefox 35 は、米国時間 2015 年 1 月 13 日にリリースされました。このページでは、開発者に影響する Firefox 35 の変更点をまとめています。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
開発者ツール
CSS
mask-type
プロパティをデフォルトで有効にしました (バグ 1058519)。filter
プロパティをデフォルトで有効にしました (バグ 1057180)。@font-face
@ 規則で WOFF2 フォントをサポートしました (バグ 1064737)。symbols()
関数記法をサポートしました (バグ 966168)。- CSS Font Loading API を実装しました (バグ 1028497)。
- コンボボックスで
-moz-appearance
に値none
を指定すると、ドロップダウンボタンを表示しないようになりました (バグ 649849)。 - 他ブラウザーに合致させるため、プロパティへのアクセス手段である
element.style["css-property-name"]
を追加しました (バグ 958887)。
HTML
JavaScript
-
let
宣言の「一時的なデッドゾーン」を実装しました。ES6 のlet
のセマンティクスに合わせて、以下の状況ではエラーが発生します。ニュースグループでの発表や バグ 1001090 もご覧ください。- 関数ボディの同一スコープ内で、
let
を使用して既存の変数や引数を再度宣言すると構文エラーになります。 - 関数ボディで
let
を使用して宣言した変数を、その宣言に到達して評価される前に使用すると、実行時エラーが発生します。
- 関数ボディの同一スコープ内で、
-
最近の仕様の変更に合致するよう、ES6 の
Symbols
(Nightly チャンネルのみ有効) を更新しました (バグ 1042602):String(Symbol("1"))
でTypeError
が発生しないようになりました。代わりに文字列 ("Symbol(1)"
) が返ります (バグ 1058396)。
-
TypedArray のさまざまなコンストラクターが
[[Prototype]]
として、ES6 で%TypedArray%
と示されている単一の関数を持つようになりました (しかし、他には直接公開されません)。各 Typed Array のプロトタイプは、%TypedArray%.prototype
から継承します。(%TypedArray%
および%TypedArray%.prototype
は、それぞれFunction.prototype
およびObject.prototype
から継承しますので、Typed Array のコンストラクターやインスタンスはこれらのオブジェクトに存在するプロパティを持ちます) Typed Array 関数のプロパティは%TypedArray%.prototype
上に存在して、Typed Array で動作するようになります。詳しくは TypedArray や バグ 896116 をご覧ください。 -
ES6 の、オブジェクトリテラルを使用して行うプロトタイプミューテーションを実装しました (バグ 1061853)。
- オブジェクトリテラル構文内では、
__proto__:value
として指定するメンバーが 1 つだけであれば[[Prototype]]
のミューテーションを行うようになりました。 __proto__() {}
のようなメソッドメンバーは、[[Prototype]]
をオーバーライトしないようになりました。
- オブジェクトリテラル構文内では、
インターフェイス/API/DOM
-
NavigatorLanguage
インターフェイスが、WorkerNavigator
によって Workers から使用可能になりました (バグ 925849)。 -
Element.closest()
メソッドは、カレント要素にもっとも近い祖先要素を返します (バグ 1055533)。 -
CanvasRenderingContext2D.filter
プロパティを実験的にサポートしました。設定項目canvas.filters.enabled
で制御されます (バグ 927892)。 -
Animation.target
プロパティの実装により、Web Animations の実験的にな実装が進展しました。設定項目dom.animations-api.core.enabled
で制御されており、デフォルトで無効化されています (バグ 1067701)。 -
仕様書の定めにより、
hasAttributes()
メソッドをNode
からElement
に移しました (バグ 1055773)。 -
HTMLImageElement
、HTMLLinkElement
、HTMLMediaElement
、HTMLScriptElement
、SVGScriptElement
のcrossOrigin
属性は有効な値のみを受け入れるようになりました。""
は有効ではなく、代わりにnull
を使用します (バグ 880997)。 -
Resource Timing API をデフォルトで有効にしました (バグ 1002855)。
-
仕様に合致させるため、
Selection.containsNode()
の第一引数をnull
にすることはできなくなりました (バグ 1068058)。 -
ImageCapture
API を新たに実装しました。ImageCapture.takePhoto()
を使用できます (バグ 916643)。 -
HTTP 以外の
XMLHttpRequest
要求が成功した場合は (誤りである0
に代わり)200
を返すようになりました (バグ 716491)。 -
XMLHttpRequest.responseURL
を最新の仕様に適合させて、URL のフラグメント ('#xyz'
) は存在しても含めないようになりました (バグ 1073882)。 -
内部で使用している非標準の
File.mozFullPath
プロパティは content から参照できなくなりました (バグ 1048293)。 -
File
のコンストラクターを、仕様に準拠するよう拡張しました (バグ 1047483)。 -
自身を生成したものとは別のエンティティによってアボートされることが可能な Promise である、
AbortablePromise
を実験的に実装しました。接頭辞Moz
を付加しており、設定項目dom.abortablepromise.enabled
(既定値はfalse
) で制御されます (バグ 1035060)。 -
非標準の
Navigator.mozIsLocallyAvailable
プロパティを削除しました (バグ 1066826)。 -
設定項目
network.websocket.enabled
(既定値はtrue
) を削除しました。今後は Websocket API を無効化できません (バグ 1091016)。 -
Window.crypto
の非標準メソッドおよび非標準プロパティを削除しました (バグ 1030963)。標準の WebCrypto API で定義されているメソッドおよびプロパティのみが残ります。 -
WebGL 2.0 の実験的な実装を進めています!
WebGL2RenderingContext.copyBufferSubData()
メソッドを実装しました (バグ 1048668)。
MathML
- 文字が重ねて置かれる場合 (例えば数学のハット記号がついた、ドットがない i) に、OpenType の
dtls
機能 (デフォルト CSS スタイルシートのfont-feature-settings
による) が MathML 要素へ自動的に適用されるようになりました。
SVG
変更なし。
Audio/Video
変更なし。
ネットワークおよびセキュリティ
- AEAD 暗号化方式を使用する場合に限り、HTTP/2 を実装および有効化しました (バグ 1027720 および バグ 1047594)。
- HTTP/2 の
alt-svc
ヘッダーをサポートしました (バグ 1003448)。 - HTTP の Public Key Pinning 拡張 (HPKP) を実装しました (バグ 787133)。
アドオン開発者と Mozilla 開発者向けの変更点
XUL およびアドオン
tabbrowser
のプライベートなメソッドである_getTabForBrowser()
が非推奨になりました。代わりに、パブリックなメソッドであるgetTabForBrowser
を新たに追加しました。予想されているとおり、このメソッドは指定したbrowser
を包含するtab
要素を返します。Performance.now()
と対等であるComponents.utils.now()
を、window 以外の chrome コード向けに実装しました (バグ 969490)。
Add-on SDK
ハイライト
- コンテキストメニューのアクセスキーを追加できます。
BrowserWindow
からisPrivateBrowsing
を削除しました。
詳細
Firefox 34 から Firefox 35 の間に行われた GitHub コミット。この一覧は Aurora 移行後に上流で行われた内容が含まれていないでしょう。
Firefox 34 から Firefox 35 の間に解決したバグ。この一覧は Aurora 移行後に上流で行われた内容が含まれていないでしょう。
関連情報
過去のバージョン
- Firefox 34 for developers
- Firefox 33 for developers
- Firefox 32 for developers
- Firefox 31 for developers
- Firefox 30 for developers
- Firefox 29 for developers
- Firefox 28 for developers
- Firefox 27 for developers
- Firefox 26 for developers
- Firefox 25 for developers
- Firefox 24 for developers
- Firefox 23 for developers
- Firefox 22 for developers
- Firefox 21 for developers
- Firefox 20 for developers
- Firefox 19 for developers
- Firefox 18 for developers
- Firefox 17 for developers
- Firefox 16 for developers
- Firefox 15 for developers
- Firefox 14 for developers
- Firefox 13 for developers
- Firefox 12 for developers
- Firefox 11 for developers
- Firefox 10 for developers
- Firefox 9 for developers
- Firefox 8 for developers
- Firefox 7 for developers
- Firefox 6 for developers
- Firefox 5 for developers
- Firefox 4 for developers
- Firefox 3.6 for developers
- Firefox 3.5 for developers
- Firefox 3 for developers
- Firefox 2 for developers
- Firefox 1.5 for developers