リンクのスタイル設定
リンクをスタイル設定するときは、擬似クラスを使用してリンク状態を効果的にスタイル設定する方法を理解することが重要です。 また、ナビゲーションメニューやタブなどの一般的なさまざまなインターフェイス機能で使用するためのリンクのスタイル設定方法を理解することが重要です。 この記事では、これらすべてのトピックを見ていきます。
前提知識: | HTML の基本(HTML 入門を学ぶ)、CSS の基本(CSS 入門を学ぶ)、CSS のテキストとフォントの基礎。 |
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目的: | リンクの状態をスタイル設定する方法と、ナビゲーションメニューのような一般的な UI 機能でリンクを効果的に使用する方法を学ぶこと。 |
いくつかのリンクを見てみましょう
ハイパーリンクの作成のベストプラクティスに従って、HTML がリンクをどのように実装するかを調べました。 この記事では、この知識を基にして、リンクのスタイル設定のためのベストプラクティスを示します。
リンク状態
最初に理解するべきことはリンク状態の概念です。リンクが存在できる様々な状態のことで、それらは様々な擬似クラスを使ってスタイル設定することができます。
-
リンク: リンク先があるリンク(つまり、単なる名前付きアンカーではないもの)で、
:link
擬似クラスを使用してスタイル設定します。 -
訪問済み: 既に訪問済みの(ブラウザーの履歴に存在する)リンクで、
:visited
擬似クラスを使用してスタイル設定します。 -
ホバー: リンクにユーザーのマウスポインターが合わせられているときのリンクで、
:hover
擬似クラスを使用してスタイル設定します。 -
フォーカス: フォーカスしたときのリンク(例えば、
Tab
キーなどを使用してキーボードユーザーによって移動してきたか、
HTMLElement.focus()
を使用してプログラムでフォーカスした)。これは:focus
擬似クラスを使用してスタイル設定します。 -
アクティブ: アクティブ化している(例えばクリックされている)ときのリンクで、
:active
擬似クラスを使用してスタイル設定します。
既定のスタイル
下記の例は、既定ではリンクがどのように見え、どのように動作するかを示しています。ただし、CSS はテキストをより目立たせるために拡大し、中央に配置しています。この例では、既定のスタイル設定の見た目や 動作と、より多くの CSS スタイルが適用されているこのページの他のリンクの見た目や 動作を比較することができます。
-
リンクには下線が引かれています。
-
未訪問のリンクは青になります。
-
訪問済みのリンクは紫になります。
-
リンクにポインターを当てると、マウスポインターが小さな手のアイコンに変わります。
-
フォーカスされたリンクには輪郭線が表示されます。このページのリンクはキーボードでタブキーを押すことでフォーカスできるはずです。(Mac の場合、
option
+
tab
を使用するか、Full Keyboard Access: All controls オプションを、
Ctrl
+
F7
を押して有効にする必要があります。
-
アクティブなリンクは赤です。クリック時にマウスボタンを押しっぱなしにしてみてください。
<p><a href="#">単純なリンク</a></p>
p {
font-size: 2rem;
text-align: center;
}
メモ:
このページのリンク例はすべて、それぞれのウィンドウの一番上にリンクしています。 空のフラグメント(href="#"
)を使用しているのは、単純な例を作成し、それぞれの <iframe>
に格納されているライブサンプルが壊れないようにするためです。
興味深いことに、これらの既定のスタイルは、1990 年代半ばのブラウザーの初期の頃のものとほぼ同じです。 これは、ユーザーがこの動作を知っており、予期するようになったためです。リンクのスタイルが異なると、多くの人が混乱してしまうでしょう。 これは、リンクのスタイルを設定してはいけないという意味ではなく、予想される動作から大きく外れてはいけないということです。 少なくとも次のことをするべきです。
- 下線をリンクのみに使用し、他のものには使用しないようにします。リンクに下線を付けたくない場合は、少なくとも他の方法でリンクを目立たせてしてください。
- ホバー/フォーカスしたときに何らかの方法で反応するようにし、アクティブ化したときには少し異なる方法で反応するようにしてください。
既定のスタイルは、次の CSS プロパティを使用してオフにしたり変更したりできます。
color
でテキストの色を設定します。cursor
でマウスポインターのスタイルを設定します。よっぽどの理由がない限り、これはオフにしないでください。outline
でテキストの輪郭線を設定します。輪郭線を境界線に似ていますが、唯一の違いは、境界線はボックス内の空間を占めるのに対し、輪郭線は空間を占めずに背景の上に置かれるだけという点です。輪郭線はアクセシビリティの向上に役立つので、他の方法でリンクがフォーカスされたことを表さない限り、除去しないでください。
メモ: リンクのスタイルは上記のプロパティに限定されているいるわけではありません。好きなプロパティを自由に使用できます。
リンクのスタイル設定
既定の状態を少し詳しく見てきたので、典型的なリンクのスタイル設定のセットを見てみましょう。
まず始めに、空のルールセットを書き出します。
a {
}
a:link {
}
a:visited {
}
a:focus {
}
a:hover {
}
a:active {
}
この順番が重要です。リンクのスタイルは互いに重ねて構築されるからです。例えば、最初のルールのスタイルは、それ以降のすべてのルールに適用され、リンクがアクティブになっているときは、ホバーもしています。これらを間違った順序で並べると、適切に機能しません。 順番を覚えておくには、LoVe Fears HAte のような語呂合わせを使用してみてください。
それでは、これを適切にスタイル設定するための情報を追加しましょう。
body {
width: 300px;
margin: 0 auto;
font-size: 1.2rem;
font-family: sans-serif;
}
p {
line-height: 1.4;
}
a {
outline-color: transparent;
}
a:link {
color: #6900ff;
}
a:visited {
color: #a5c300;
}
a:focus {
text-decoration: none;
background: #bae498;
}
a:hover {
text-decoration: none;
background: #cdfeaa;
}
a:active {
background: #6900ff;
color: #cdfeaa;
}
CSS を適用するためのサンプル HTML も提供します。
<p>
<a href="#">Mozilla Firefox</a>、<a href="#">Google Chrome</a>、<a href="#">Microsoft Edge</a> など、利用できるブラウザーが複数あります。
</p>
2 つをまとめると、この結果が得られます。
では、ここでは何が行われたのでしょうか?確かにこれは既定のスタイル設定とは異なって見えますが、それでもユーザーが何が起こっているのか分かりやすい慣れ親しんだ使い勝手を提供しています。
- 最初の 2 つのルールは、この場ではさほど興味深いものではありません。
- 3 番目のルールは
a
セレクターを使って既定のテキストの下線とフォーカスの輪郭線(ブラウザーによって異なります)を取り除きます。 - 次に、
a:link
セレクターとa:visited
セレクターを使用して、未訪問リンクと訪問済みリンクに 2 つのカラーバリエーションを設定して区別できるようにします。 - 次の 2 つのルールでは、
a:focus
とa:hover
を使用して、フォーカスされたリンクとホバーされたリンクを異なる背景色に設定し、さらにリンクを目立たせるために下線を使用します。 - 最後に、
a:active
は、リンクがアクティブになっている間に反転色にするために使用され、重要なことが起こっていることが分かりやすくします。
アクティブラーニング: 自分のリンクをスタイル設定する
このアクティブラーニングセッションでは、空のルールセットに自分で宣言を追加して、リンクを本当にかっこよく見せてください。 想像力を駆使して、ワイルドに。上記の例と同じように、よりかっこよく機能的なものを思いつくことができると確信しています。
間違えた場合は、リセットボタンを使用していつでもリセットできます。 本当に立ち往生してしまったら、上に示した例を挿入するために答えを表示ボタンを押してください。
リンクにアイコンを含める
リンクにアイコンを表記することで、リンク先がどのようなコンテンツであるかをより分かりやすく提供するのが一般的です。実に単純な例ですが、外部リンク(他のサイトにつながるリンク)にアイコンを追加する例を見てみましょう。このようなアイコンは、通常、箱から小さな矢印が出ているように見えます。この例では、icons8.com からの外部リンクアイコンを使用します。
欲しい効果が得られる HTML と CSS を見てみましょう。 まず、スタイル設定する簡単な HTML です。
<p>
天気に関する詳しい情報は、<a href="#">天気のページ</a>に行くか、<a href="https://ja.wikipedia.org/">ウィキペディアの天気</a>を見るか、<a href="https://www.nationalgeographic.org/topics/resource-library-weather/">ナショナルジオグラフィックの天気</a>を調べてみてください。
</p>
次に、CSS です。
body {
width: 300px;
margin: 0 auto;
font-family: sans-serif;
}
a[href^="http"]::after {
content: "";
display: inline-block;
width: 0.8em;
height: 0.8em;
margin-left: 0.25em;
background-size: 100%;
background-image: url("external-link-52.png");
}
それでは、ここで何が起こっているのでしょうか? これまで見てきたのと同じ情報なので、CSS の大部分はスキップします。 しかし最後のルールは興味深いもので、::after
擬似要素を使用しています。0.8rem x 0.8rem
の擬似要素が、アンカーテキストの後にインライングロックとして置かれています。アイコンは擬似要素の background
として描画されます。
ここでは相対的な単位である em
を使用しています。アイコンのサイズはアンカーのテキストサイズに比例します。アンカーのテキストサイズが変更された場合、アイコンのサイズもそれに応じて調整されます。
最後の一言です。どのように外部リンクだけを選択したのでしょうか? HTML のリンクを適切に記述しているのなら、絶対 URL を使用しているのは外部リンクだけであるはずです。自分のサイトの他の部分にリンクするには(最初のリンクのように)相対リンクを使用したほうが効率的です。"http" というテキストは(2 番目と 3 番目のリンクのように)外部リンクにのみ現れるので、これを属性セレクターで選択できます。a[href^="http"]
は <a>
要素のうち、href
属性が "http" で始まるものに限り選択します。
以上です。上のアクティブラーニングの節を再検討して、この新しいテクニックを試してみてください!
メモ: 背景やレスポンシブウェブデザインにまだ慣れていなくても心配しないでください。 これらは他の場所で説明します。
リンクをボタンとしてスタイル設定
この記事でこれまで説明してきたツールは、他にも使用することができます。例えば、ホバーのような状態は、リンクだけでなく、多くの異なる要素をスタイル設定するために使用することができます。段落やリストアイテムなどのホバー状態をスタイル設定することができます。
さらに、状況によっては、リンクはボタンのような外見になったり動作したりするようスタイル設定することが一般的です。ウェブサイトのナビゲーションメニューは、一連のリンクとしてマークアップすることができ、これはユーザーにサイトの他の一部へのアクセスを提供する一連のコントロールボタンやタブのように見えるようにスタイル設定することができます。それでは、その方法を探ってみましょう。
まず、いくらかの HTML です。
<nav class="container">
<a href="#">Home</a>
<a href="#">Pizza</a>
<a href="#">Music</a>
<a href="#">Wombats</a>
<a href="#">Finland</a>
</nav>
そして CSS です。
body,
html {
margin: 0;
font-family: sans-serif;
}
.container {
display: flex;
gap: 0.625%;
}
a {
flex: 1;
text-decoration: none;
outline-color: transparent;
text-align: center;
line-height: 3;
color: black;
}
a:link,
a:visited,
a:focus {
background: palegoldenrod;
color: black;
}
a:hover {
background: orange;
}
a:active {
background: darkred;
color: white;
}
これにより、次のような結果が得られます。
HTML では、<nav>
要素に "container"
クラスをつけたものを定義しています。<nav>
には複数のリンクを含んでいます。
CSS には、コンテナーとそこに含まれるリンクのスタイル設定が記述されています。
- 2 番目のルールは次のように指定しています。
- コンテナーはフレックスボックスです。その中に含まれるアイテムは、この場合はリンクが、フレックスアイテムになります。
- フレックスアイテム間の溝は、コンテナーの幅の
0.625%
です。
- 3 番目のルールはリンクをスタイル設定しています。
- 最初の宣言である
flex: 1
は、アイテムの幅が調整されることを表しますので、コンテナーの利用可能な空間をすべて使用します。 - 次に、既定の
text-decoration
およびoutline
を無効にしています。外見を邪魔されたくありませんので。 - 最後の 3 つの宣言は、それぞれのリンク内のテキストを中央に配置すること、
line-height
を 3 に設定してボタンに高さを与えること(これはテキストを上下中央に配置するという利点もあります)、そしてテキストの色を黒に設定することです。
- 最初の宣言である
まとめ
この記事が、リンクについて知っておく必要があるすべての情報を提供してくれることを願っています — 今のところは! テキストのスタイル設定モジュールの最後の記事では、ウェブサイトでのカスタムフォント(またの名をウェブフォント)の使用方法について詳しく説明しています。