Firefox 127 for developers
このページでは、開発者に影響する Firefox 127 の変更点をまとめています。Firefox 127 は、米国時間 2024 年 6 月 11 日 にリリースされました。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
HTML
data:
およびjavascript:
URL が、<base>
要素のhref
属性で禁止されました (Firefox bug 1850967)。
CSS
conic-gradient()
、linear-gradient()
、radial-gradient()
関数で作成するグラデーション、および繰り返しのグラデーションのrepeating-conic-gradient()
、repeating-linear-gradient()
、repeating-radial-gradient()
関数で、<color-interpolation-method>
の使用をサポートしました (Firefox bug 1861363)。
JavaScript
-
Set
の、以下のメソッドをサポートしました (Firefox bug 1868423):Set.prototype.intersection()
— 自身の Set と指定した Set の両方に存在する要素を持つ、新しい Set を返します。Set.prototype.union()
— 自身の Set と指定した Set にあるすべての要素を持つ、新しい Set を返します。Set.prototype.difference()
— 自身の Set に存在するが指定した Set には存在しない要素を持つ、新しい Set を返します。Set.prototype.symmetricDifference()
— 自身の Set または指定した Set のいずれかに存在して、両方には存在しない要素を持つ、新しい Set を返します。Set.prototype.isSubsetOf()
— 自身の Set のすべての要素が指定した Set に存在しているかを示す論理値を返します。Set.prototype.isSupersetOf()
— 指定した Set のすべての要素が自身の Set に存在しているかを示す論理値を返します。Set.prototype.isDisjointFrom()
— 自身の Set と指定した Set に共通の要素がないかを示す論理値を返します。
SVG
- CSS では Firefox 120 で初めにサポートされた行の高さの単位
lh
およびrlh
を、SVG でもサポートしました。これらは CSS プロパティの値stroke-width: 0.5lh
や SVG 属性の値stroke-width="0.5lh"
のどちらでも使用できます (Firefox bug 1892089)。
セキュリティ
- 安全なコンテンツで、Firefox は音声、動画、画像のサブリソースの要求を自動的に HTTP から HTTPS へアップグレードして、その他のメディアの HTTP 要求はブロックするようになりました。メディアのホストが HTTPS をサポートしてないためアップグレードした要求が失敗した場合は、メディアを見つけられません。 これは、コンテンツが HTTPS で安全に提供されている場合はすべてのサブリソースも安全に提供されること、そうでない場合はまったく提供されないことを保証します。 ページが 混在コンテンツ を表示することがなくなったため、ページが混在コンテンツを含むことを示すアイコンも Firefox から削除しました。また、コンソールで混在コンテンツの警告を、要求がアップグレードされたことを表す警告に置き換えました (Firefox bug 1779757)。
API
- 非同期の
Clipboard API
を完全にサポートしました。ClipboardItem
インターフェイスと、Clipboard
インターフェイスのread()
およびwrite()
メソッドが有効になりました (Firefox bug 1887845、Firefox bug 1858788)。 - ウェブビデオテキストトラック形式 (WebVTT) のキュー、タイトル文字列、コメント、注釈などで、すべての HTML 文字参照 をサポートしました (Firefox bug 1395924)。
WebGLRenderingContext.drawingBufferColorSpace
およびWebGL2RenderingContext.drawingBufferColorSpace
をサポートしました (Firefox bug 1885491)。
WebDriver conformance (WebDriver BiDi, Marionette)
一般
- WebDriver クラシックおよび BiDi の双方で、
wheel
アクションがctrl
やshift
などのモディファイアを正しく扱えるように修正しました (Firefox bug 1885542)。
WebDriver BiDi
- ブラウザーのパーミッション (
geolocation
など) を更新できる、permissions.setPermission
コマンドを追加しました。パーミッションモジュールは Permissions 仕様で定義されている、WebDriver BiDi 仕様の拡張です (Firefox bug 1875065)。 browsingContext.locateNodes
コマンドで、アクセシビリティ属性name
およびrole
をロケーターとしてサポートしました (Firefox bug 1885577)。browsingContext.setViewport
で引数devicePixelRatio
をサポートしました。デバイスピクセル比率が異なるスクリーンの動作をエミュレートできます (Firefox bug 1857961)。- コマンドを解決する前に不必要な待ち状態が発生する競合状態を避けるように
browsingContext.navigate
を改良しました (Firefox bug 1894305)。
Marionette
- 無効化したフィールドセットに置かれている要素に対する
WebDriver:ElementClear
の動作を修正しました (Firefox bug 1863266)。 WebDriver:GetElementText
がアンダースコアを含む文字列を正しくキャピタライズしない不具合を修正しました (Firefox bug 1888004)。- ナビゲーションの途中にタブがあった場合に、
WebDriver:SwitchToFrame
が失敗する不具合を修正しました (Firefox bug 1817820)。
アドオン開発者向けの変更点一覧
- manifest.json の
"incognito"
キーの値に"split"
を指定した拡張機能を Firefox へインストールするようになりました。ただし Firefox はスプリットモードをサポートしておらず、プライベートブラウジングの整合性を保つため"split"
は値"not_allowed"
の別名として扱われます (Firefox bug 1876924)。 - アドオンがエンタープライズポリシーを使用してインストールされた場合に、
management.ExtensionInfo
がinstall_type
で"admin"
を返すようになりました (Firefox bug 1895341)。 declarativeNetRequest.getDynamicRules
およびdeclarativeNetRequest.getSessionRules
に引数filter
を追加しました。これは、返されるルールのリストを ID でフィルタリングできるようにします (Firefox bug 1820870)。- Manifest V3 拡張機能の
host_permissions
を、インストール中にユーザーへ表示するようになりました (Firefox bug 1889402)。ただし、更新した拡張機能が新たなホストパーミッションを要求してもユーザーに表示されません (Firefox bug 1893232)。 - 拡張機能に関連付けられたコンテキストの情報を返す
runtime.getContexts
関数を追加しました (Firefox bug 1875480)。 - Manifest V3 拡張機能向けに、
_execute_action
のユーザー定義ショートカットがない場合に、特殊な_execute_browser_action
コマンドをユーザー定義ショートカットにフォールバックする機能を追加しました。これにより、Manifest V2 から V3 へ移行する拡張機能がブラウザーアクションのユーザー定義ショートカットを維持できます (Firefox bug 1797811)。
実験的なウェブ機能
以下の機能は Firefox 127 で新たに導入しましたが、デフォルトで無効です。これらを実験するには、about:config
ページで適切な設定項目を検索して true
に設定してください。実験的機能 のページで、さらに多くの機能を確認できます。
-
CSS
letter-spacing
の対称なスペース:layout.css.letter-spacing.model
。CSS の
letter-spacing
プロパティで、スペースをそれぞれの文字の両側へ均等に分配するようになりました。これは、主に片側にスペースを置く現在の動作とは異なります (Firefox bug 1891446)。 -
相対的な色で
calc()
カラーチャンネルをサポート:layout.css.relative-color-syntax.enabled
。CSS の
calc()
関数で、相対的な色 のカラーチャンネルを解析できるようになりました (Firefox bug 1889561)。 -
JavaScript
Float16Array
型付き配列:javascript.options.experimental.float16array
。Float16Array
型付き配列、DataView
からFloat16Array
の値を読み取りおよび書き込みするDataView.prototype.getFloat16()
およびDataView.prototype.setFloat16()
、数値を 16 ビット値に丸めるために使用できる静的メソッドMath.f16round()
をサポートしました。新しい型は、特にメモリ消費量のために精度を犠牲にすることが合理的な用途で、GPU とデータを共有するのに便利です (Firefox bug 1833647。
過去のバージョン
- Firefox 126 for developers
- Firefox 125 for developers
- Firefox 124 for developers
- Firefox 123 for developers
- Firefox 122 for developers
- Firefox 121 for developers
- Firefox 120 for developers
- Firefox 119 for developers
- Firefox 118 for developers
- Firefox 117 for developers
- Firefox 116 for developers
- Firefox 115 for developers
- Firefox 114 for developers
- Firefox 113 for developers
- Firefox 112 for developers
- Firefox 111 for developers
- Firefox 110 for developers
- Firefox 109 for developers
- Firefox 108 for developers
- Firefox 107 for developers
- Firefox 106 for developers
- Firefox 105 for developers
- Firefox 104 for developers
- Firefox 103 for developers
- Firefox 102 for developers
- Firefox 101 for developers
- Firefox 100 for developers
- Firefox 99 for developers
- Firefox 98 for developers
- Firefox 97 for developers
- Firefox 96 for developers