プロパティアクセサー
Baseline Widely available
This feature is well established and works across many devices and browser versions. It’s been available across browsers since July 2015.
プロパティアクセサーはオブジェクトのプロパティへのアクセスを提供するもので、ドット記法またはブラケット記法を使用します。
試してみましょう
構文
object.propertyName
object[expression]
object.#privateProperty
解説
オブジェクトは実際には連想配列(別名 map、 dictionary、 hash、 lookup table)とみなすことができます。この配列におけるキーはオブジェクトのプロパティの名前です。
プロパティにアクセスするには、ドット記法とブラケット記法の 2 通りがあります。
ドット記法
object.propertyName
の構文では、 propertyName
は有効な JavaScript の 識別子でなければならず、予約語であっても構いません。例えば、 object.$1
は有効であるのに対し、 object.1
は有効ではありません。
const variable = object.propertyName;
object.propertyName = value;
const object = {};
object.$1 = "foo";
console.log(object.$1); // 'foo'
const object = {};
object.1 = 'bar'; // SyntaxError
console.log(object.1); // SyntaxError
ここで、 createElement
というメソッドを document
から取得し、呼び出します。
document.createElement("pre");
数値リテラルに対してメソッドを使用する場合で、その数値リテラルに指数や小数点がない場合、メソッド呼び出しをするドットの前にホワイトスペースを入れることで、ドットが小数点とみなされることを防ぐことができます。
77 .toExponential();
// or
77
.toExponential();
// or
(77).toExponential();
// or
77..toExponential();
// or
77.0.toExponential();
// 77.と77.0は同じものとして評価されます
さらに、プライベートプロパティは、それを定義するクラス内でドット記法を使用してのみアクセスすることができます。
ブラケット記法
object[expression]
の構文では、expression
は文字列またはシンボルです。ですから、これは任意の文字列、例えば '1foo'
、'!bar!'
、または ' '
(空白) であっても構いません。
const variable = object[propertyName];
object[propertyName] = value;
これは前の例とまったく同じです。
document["createElement"]("pre");
ブラケット記法の前には空白を入れることができます。
document ["createElement"]("pre");
プロパティ名として評価される式を渡すと、プロパティ名を直に直接渡すのと同じことが行われます。
const key = "name";
const getKey = () => "name";
const Obj = { name: "Michel" };
Obj["name"]; // "Michel" を返す
Obj[key]; // Obj["name"] と解釈され、 "Michel" を返す
Obj[getKey()]; // Obj["name"] と解釈され、 "Michel" を返す
ただし、外部入力で指定された名前のプロパティにアクセスするために角括弧を使用することには注意が必要です。これにより、コードがオブジェクトインジェクション攻撃を許しやすくなる可能性があります。
プロパティ名
プロパティ名は文字列またはシンボルです。それ以外の値は、数値を含めて、文字列へ強制変換されます。これは 'value'
を出力します。 1
が '1'
に強制変換されるからです。
const object = {};
object["1"] = "value";
console.log(object[1]);
こちらも 'value'
を出力します。foo
と bar
は同じ文字列に変換されるからです。
const foo = { uniqueProp: 1 };
const bar = { uniqueProp: 2 };
const object = {};
object[foo] = "value";
console.log(object[bar]);
メソッドのバインド
オブジェクトのプロパティについて話す場合は、プロパティとメソッドを区別するのが一般的です。しかし、プロパティとメソッドの区別は、単なる慣習にすぎません。メソッドは、呼び出すことができるプロパティです(例えば、Function
インスタンスへの参照を値として保有している場合など)。
メソッドは、そのメソッドが所属するオブジェクトにバインドされているわけではありません。特に、 this
はメソッド内で固定されているわけではなく、必ずしもそのメソッドを含んでいるオブジェクトを参照しているとは限りません。 this
は関数呼び出し時に「渡される」ものです。this
のリファレンスを参照してください。
例
ブラケット記法と eval()
JavaScript 初心者はしばしば、代わりにブラケット記法を使えるところで eval()
を使用してしまう間違いを犯します。
例えば、以下のような構文がたくさんのスクリプトで見られます。
const x = eval(`document.forms.form_name.elements.${strFormControl}.value`);
eval()
は低速であり、可能な限り避けるべきです。また、 strFormControl
は ID を必要としますが、フォームコントロールの名前と id
は必須ではありません。代わりにブラケット記法を使った方が良いでしょう。
const x = document.forms.form_name.elements[strFormControl].value;
仕様書
Specification |
---|
ECMAScript Language Specification # sec-property-accessors |
ブラウザーの互換性
BCD tables only load in the browser