Firefox 132 for developers
このページでは、開発者に影響する Firefox 132 の変更点をまとめています。Firefox 132 は、米国時間 2024 年 10 月 29 日 にリリースされました。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
HTML
変更なし。
CSS
text-emphasis-position
プロパティで、text-underline-position
に合わせて配置するための値auto
をサポートしました (Firefox bug 1919658)。- CSS で Nested declaration rule をサポートしました。入れ子の CSS が正しい順序で解析されるようになりました (Firefox bug 1918408)。
廃止
-moz-user-modify
CSS プロパティを削除しました。このプロパティは、contenteditable
グローバル属性が支持されたため非推奨になっていました (Firefox bug 1920118)。
JavaScript
- 正規表現の
(?ims-ims:...)
モディファイアーは、正規表現パターンの特定の一部分に限って効果がある変更を行えます (Firefox bug 1913752、Firefox bug 1899813)。
HTTP
廃止
- HTTP/2 サーバープッシュを、設定項目
network.http.http2.allow-push
をfalse
に設定することで無効化しました。 この機能はほかのメジャーなブラウザーでサポートしておらず、将来のリリースで実装を完全に削除する予定です (Firefox bug 1915848)。
プライバシー
- 厳格な強化型トラッキング防止機能 で、すべての サードパーティ Cookie をブロックするようになりました (Firefox bug 1918037)。
API
WebGLRenderingContext
およびWebGL2RenderingContext
インターフェイスのdrawingBufferColorSpace
およびunpackColorSpace
プロパティをサポートしました。これらはそれぞれ、WebGL 描画バッファーの色空間と、テクスチャーをインポートする際に変換する色空間を指定します (Firefox bug 1885491, Firefox bug 1885446)。Notification.silent
プロパティをサポートしました。システムの通知を静音化するかを制御します。Notification()
コンストラクターでsilent: true
を指定すると、デバイスの設定に関わらずシステムの通知は通知音やバイブレーションを伴わずに発行されます (Firefox bug 1809028)。<link>
・<script>
・<img>
要素のfetchpriority
属性、HTMLLinkElement
・HTMLScriptElement
・HTMLImageElement
インターフェイスのfetchPriority
プロパティ、Request()
コンストラクター に渡す引数options.priority
、HTTPLink
ヘッダーのfetchpriority
ディレクティブをサポートしました。これらは特定のリソースを読み込むときの、同じ種類の他のリソースと比較した相対的な優先度に関する助言を開発者が与えられるようにします。また事前読み込みなど、ほかの優先度設定方法と組み合わせて使用できます (Firefox bug 1854077)。CSSNestedDeclarations
インターフェイスとCSSNestedDeclarations.style
プロパティをサポートしました (Firefox bug 1918408)。
Media、WebRTC、Web Audio
HTMLVideoElement
インターフェイスのrequestVideoFrameCallback()
およびcancelVideoFrameCallback()
メソッドをサポートしました。requestVideoFrameCallback()
は、新しい動画フレームがコンポジターへ送信されたときに実行するコールバック関数を登録します。開発者はこの関数を使用してそれぞれの動画フレームで処理を行うことができ、キャンバスへの描画、動画の分析、外部音声ソースとの同期などがより効率的になります。このメソッドは、未処理のコールバック要求をキャンセルするためにcancelVideoFrameCallback()
へ渡すことができるコールバックハンドラーを返します。(Firefox bug 1919367、Firefox bug 1800882)。MediaStreamTrack.getCapabilities()
メソッドをサポートしました。これは関連づけられたMediaStreamTrack
の、それぞれの制約可能なプロパティで受け入れる値または値の範囲を詳しく示すオブジェクトを返します (Firefox bug 1179084)。
WebDriver への適合 (WebDriver BiDi, Marionette)
WebDriver BiDi
- WebDriver BiDi のコマンドをナビゲーションの途中や新たに作成したタブで使用したときの信頼性を高める改善を施しました。以前は
browsingContext.setViewport
のようなコマンドがAbortError
を理由にして失敗することがありましたが、その問題を避けるために少し時間をおいて再実行するようになりました (Firefox bug 1854942、Firefox bug 1918287、Firefox bug 1918672、Firefox bug 1921756)。 browsingContext.contextCreated
イベントが、遅延読み込みのフレームで正しく発生するようになりました。以前は、インラインフレームが実際にコンテンツの読み込みを開始したときに限ってイベントが発生していました (Firefox bug 1878166)。- キャッシュ済みのスタイルシートの要求で、ネットワークのイベントが正しく発生するようになりました (Firefox bug 1879438)。
- 以前はネットワークのイベントの時間の単位が誤っており、マイクロ秒を使用していました。現在はミリ秒を正しく設定しています (Firefox bug 1916685)。
- ネットワークのイベントの時間で
requestTime
がより正確になり、リクエストが実際に開始した時間に一致するようになりました (Firefox bug 1922390)。
実験的なウェブ機能
以下の機能は Firefox 132 で新たに導入しましたが、デフォルトで無効です。これらを実験するには、about:config
ページで適切な設定項目を検索して true
に設定してください。実験的機能 のページで、さらに多くの機能を確認できます。
-
Cookie Store API:
dom.cookieStore.enabled
。Cookie Store API は新しい
Promise
ベースの Cookie 管理方法で、イベントループをブロックせず、Document
に依存しません (このため サービスワーカー で使用できます)。Firefox 132 では Cookie Store API のサブセットを実装しました (Firefox bug 1800882)。以下のプロパティが含まれます:CookieStore
インターフェイス。ただし戻り値にpartitioned
は含まれません。CookieChangeEvent
インターフェイス。ただしpartitioned
プロパティを除きます。Window.cookieStore
プロパティ。ServiceWorkerGlobalScope.cookieStore
プロパティ。
-
fetch()
のkeepalive
オプション:dom.fetchKeepalive.enabled
。fetch()
グローバルメソッドにkeepalive
初期化オプションがあります。keepalive
をtrue
に設定すると、ブラウザーはリクエストが完了する前にリクエストを開始したページがアンロードされても、関連するリクエストを中止しません。これはセッションの終了時に分析情報を送信するときに
Navigator.sendBeacon()
の代替として読み込みリクエストが機能することを可能にして、いくつかの利点をもたらします (POST
以外の HTTP メソッドを利用する、リクエストのプロパティをカスタマイズする、あるいは読み込みのPromise
のフルフィルメントを通してサーバーのレスポンスにアクセスすることが可能です)。これは サービスワーカー でも使用できます (Firefox bug 1906952)。 -
CloseWatcher
:dom.closewatcher.enabled
。CloseWatcher
インターフェイスは、組み込みコンポーネントと同じようにデバイスのネイティブな仕組みを使用して閉じることが可能なコンポーネントを開発者が実装することを可能にします。たとえば Android では、戻るボタンを使用してダイアログを閉じることができます。このインターフェイスで、独自のサイドバーを同じように閉じることができます (Firefox bug 1888729)。 -
Promise.try()
:javascript.options.experimental.promise_try
。Promise.try()
はあらゆる種類 (値を返す、例外が発生する、同期、非同期) のコールバックを受け取り、その結果を Promise の機能 (たとえば.then()
や.catch()
) で扱えるようにするためPromise
にラップする便利なメソッドです (Firefox bug 1905364)。 -
JSON.parse
with source:javascript.options.experimental.json_parse_with_source
。JSON.parse
source text access proposal は、大きな浮動小数点数や日付の値を JavaScript の値と JSON 文字列の間で変換するときに精度が低下することに関する問題を軽減する機能を提供するようにJSON.parse
の動作を拡張します (Firefox bug 1913085、Firefox bug 1925334)。特に、以下の機能を使用可能です:JSON.parse()
の 引数reviver
内の引数context
: パースした元の JSON ソース文字列へアクセスできます。JSON.isRawJSON()
: 値がJSON.rawJSON()
から返されたオブジェクトであるかを確認します。JSON.rawJSON()
: JSON 文字列の一部を含む "raw JSON" オブジェクトを生成します。これをオブジェクトに含めることで、オブジェクトが文字列化されるときに指定した値を維持できます。
過去のバージョン
- Firefox 131 for developers
- Firefox 130 for developers
- Firefox 129 for developers
- Firefox 128 for developers
- Firefox 127 for developers
- Firefox 126 for developers
- Firefox 125 for developers
- Firefox 124 for developers
- Firefox 123 for developers
- Firefox 122 for developers
- Firefox 121 for developers
- Firefox 120 for developers
- Firefox 119 for developers
- Firefox 118 for developers
- Firefox 117 for developers
- Firefox 116 for developers
- Firefox 115 for developers
- Firefox 114 for developers
- Firefox 113 for developers
- Firefox 112 for developers
- Firefox 111 for developers
- Firefox 110 for developers
- Firefox 109 for developers
- Firefox 108 for developers
- Firefox 107 for developers
- Firefox 106 for developers
- Firefox 105 for developers
- Firefox 104 for developers
- Firefox 103 for developers
- Firefox 102 for developers
- Firefox 101 for developers